チュウェ・ナ・タウッ準中学校ピンウールィン第5小学校ミャンマーにおける代表的な感染症について

当該地域における風土病性甲状腺腫について
ピンウールィン第5小学校で多く見られる風土病性甲状腺腫はヨウ素(ヨード)を含んでいる土や水が不足している国や地方に発症するもので頸部が肥大化するためミャンマーではLe-Pin-Kyi Yoga首が大きい病気と呼ばれている。山岳地帯に多く、隣接しているシャン州では発症が多く報告されているが、ピンウールィン地区全体では症例数は比較的少ない病気とされている。しかし、当校では12名の生徒、約4%が甲状腺腫と診断されている。医学的には明確な原因は特定されていないがヨウ素欠乏症が原因と一般に言われている。ヨウ素は甲状腺ホルモンを合成するのに必要なミネラルであるが甲状腺ホルモンは交感神経を刺激して、たんぱく質や脂質、糖質の代謝を高める働きをする。これにより基礎代謝と発育が促進されるため甲状腺ホルモンの成分であるヨウ素が不足すると成長障害や体力低下などの症状が現れる。また甲状腺ホルモンの形成に必要なヨウ素をより多く取り込もうとして甲状腺が肥大化し甲状腺腫を形成することになる。以上マンダレー仏教総合病院副理事長 コー・レー医学博士へのインタビューより。

ミャンマーにおける代表的な感染症について
CIA World Factbookによると当国において発症が多い感染症には以下のものがある。

1:飲料水・食物から感染:細菌性及び原虫性下痢、A型肝炎、腸チフス
2:生物病原媒介昆虫・動物による感染:マラリア、デング熱
3:水による感染:レプトスピラ症
4:動物接触感染:狂犬病

上記の感染症はピンウールィン地区でも地域差はあるが発症するものであり衛生環境の改善により発症の減少が期待できる。同地区ではトイレに利用する水も学校外に汲み取りに行くなど給水施設が未整備で不衛生になりやすい学校が市外には未だに存在する。また排水溝整備が不十分のため動物や人の糞尿などが混じった不衛生な水が学校内にあふれ草履しか履いていない生徒が汚染水に接触するという事態が発生している。

チュウェ・ナ・タウッ準中学校ピンウールィン第5小学校ミャンマーにおける代表的な感染症について