活動内容

マンダレー管区ピンウールィン地区において学校教育環境の包括的改善を目的とし、適切で健全な学校施設の整備と衛生保健教育プログラムを2本柱に事業を実施する。

【活動1:学校施設整備】 
当国の公立学校の特徴のひとつに学校設備の地域格差が激しいことが挙げられる。これは大都市と地方に生じるものではなく、同じ行政地区内で市内と市外に生じる格差である。一般的に市の中心の学校はよく整備され市外に位置する学校は施設が不十分である。当国では校舎建設や修繕費に公的資金の他に学校自身も資金供出を求められることが多く、概して生徒の両親や地元の有力者、富裕者が負担することになる。その負担金が大きく学校設備の質を左右し、富裕層生徒の比率が高い市中心の学校は十分に整備されるが、貧困層の多い市外地域では学校整備が遅々としており、粗末で不衛生な環境で生徒が学習していると言える。
当会はこうした状況を改善するために、当会が実施した調査の中で特に緊急性が高い2校の改善事業をフェーズ1として実施する。

当国保健省と国際機関、国内外のNGOとの連携による積極的な対策により、ピンウールィン地区では公立学校における水洗式(手桶式)トイレの普及率が100%、浄化槽においては約80%である。しかし、市外において、トイレ後に手を洗う施設が満足に整備された学校は極めて稀である。戸外の水槽に手桶がひとつ常備されている程度が一般的であり、雨の際に生徒が傘をさしながら石鹸できれいに手を洗うことは難しい。当該状況を改善するべく、当会では校舎の建設だけでなく、生徒の健康を守るために、きちんと手を洗える手洗い場を整備することを重要視している。

【活動2:衛生保健教育プログラム】
活動1で述べたように当国の積極的な対策が功を奏し、感染症への罹患率は確実に低下して来ているが、地方では、依然として深刻な問題である。石鹸での正しい手洗いは、感染症を防ぐ最も簡単で基本の方法である。当会では生徒の健康を守るために、石鹸での正しい手洗いを基本に、感染症への理解を通じ、正しい行動を指導する計画である。また、安価な菓子が地方でも簡単に手に入り児童も口にする機会が増えたため、同会では、生徒の歯の健康を守るため、正しい歯の磨き方を指導する計画である。この菓子類は校内や校門脇で販売されることが当国では、一般的であり、校内ゴミ増加の原因にもなっている。一部地域では、ゴミが排水溝を閉塞させ汚水が溢れる原因にもなっており、ゴミの正しい処理は積極的に取り組むべき課題と当会では捉えている。生徒には自分自身を清潔に保つと同時に学校も清潔に維持するよう校内清掃の徹底も併せて指導する。

@ カリキュラム
下記の5項目で実施予定。*感染症と風土病性甲状腺について <別添2−2C参照>
1: 飲料水及び食物摂取に起因する感染症と感染しないための正しい行動習慣
2: 水や土との接触に起因する感染症と感染しないための正しい行動習慣
3: 生物病原媒介昆虫・動物による感染症と感染しないための正しい行動習慣+風土病性甲状腺腫について
4. 歯の健康と正しい歯の磨き方
5. 清潔な学校環境つくりと校内清掃

A 講師陣
マンダレー仏教総合病院の副理事長コー・レー氏(専門家関連情報別添6を参照)を中心にマンダレー医師会一般診療科医師有志によりチーム結成。

B プログラムの流れ
1. 衛生に関する行動習慣調査アンケートの実施 <別添2−3参照>
2. 行動習慣調査を集計し当該プログラムに反映させる
3. @のカリキュラムを学年を分けて実施。学校教師に対するの学校としての衛生体勢の改善指導
4. 行動習慣調査アンケートの再実施
5. アンケート集計結果をボランティアチームと検証、今後のプログラムに反映させる

C 石鹸手洗い促進のためにデザインされた雨合羽を配布する。当地域は雨が多い高原地帯のため防寒・防雨に役立つ雨合羽は利用頻度も高いと予想される。